目次
複合機の国内市場の現状、世界に於ける日本の複合機のシェアの現状
近年、オフィスではペーパーレス・コスト削減が叫ばれるようになり、
国内のコピー機・複合機市場は非常に厳しいのが現状です。
複合機国内メーカー大手3社の平成17~平成24の決算データを見てみると、売上・利益ともに顕著に減少しています。
国内のコピー機、複合機ともに売り上げが減少しているとはいえ、
コピー機・複合機市場のシェアは国内メーカーが圧勝を保っています。
しかし、この状況は長く続かないことが見込まれています。
その理由の一つは「生産要素価格均等化法則」です。
貿易が自由化されている場合、労働力の高い国の製品よりも安い国の製品の方が競争力が高いため、
労働力の高い日本の製品はシェアを保つのが難しくなることが予想されます。
海外コピー機・複合機市場の現状
国内外の多くの企業が複合機市場に参入し、シェアを広げるべくしのぎを削っています。
複合機の有名メーカーといえば「キャノン」「シャープ」「富士ゼロックス」「リコー」「京セラ」が挙げられます。
これらのほとんどは国内メーカーです。
今まで海外の複合機がシェアを広げられなかった分野の一つは、複合機を中心としたOA機器でした。
しかし近年、市場が縮小したことに加え、デジタル技術が進み各社の機器性能の差がほとんどなくなってしまいました。
その為、複合機を販売して消耗品の売り上げで利益を得るビジネスモデルは転換を迫られています。
現在は、複合機やその周辺システムの運用管理を一括で請け負うサービスによってシェアを争う形に変化しています。
海外市場における日本のシェア
調査会社の調査によると、複合機の海外市場におけるシェアは、
2014年A3判対応機種においては日本が上位を独占状態でした。
細かく見ると、1位キヤノン(23.4%)、2位リコー(23.2%)、3位ゼロックスグループ(19.5%)と、
日本の上位3社だけで複合機シェアの50%を占めています。
国内では更に日本企業の独占が顕著となり、海外製複合機はほとんど見かけないまでにシェアを広げています。