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コピー機には様々な機能があり、導入するにあたってはどのような点を重視したらよいか迷ってしまう、ということもあるでしょう。
ここではその中でもコピーの効率を大幅にアップする機能であるADFについて紹介します。
ADFにはどのようなメリットがあるのか、実際にはどのように使用するのかなどについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コピー機のADF機能について
ADFとは一体どんな機能なのか、何ができるのかについて解説します。
また、業務の中で具体的にどのような活用ができるのかについても説明します。
ADF機能とは?
ADFとは「Automatic Document Feeder」の略で、コピー機などについている自動原稿送り装置のことをいいます。
コピー機でコピーを取る場合、ガラス面に1枚ずつ原稿を置いて枚数を指定しスタートボタンを押す、というのが通常の方法です。
しかし、原稿の枚数が多い場合、1枚ずつ原稿を入れ替えてコピーを取るのは非効率で時間もかかります。
こうした問題を解消するのがADFです。
ADFはコピー機のカバーの部分についており、複数枚の原稿をセットすると1枚ずつ自動的に原稿を取り込んでくれます。
手で原稿を入れ替える手間がない上、取り込みも非常にスムーズでスピーディーなので時間の短縮にもなり、さらに重いカバーを1回1回持ち上げる必要もないため作業の負担軽減にもなります。
最近ではほとんどのコピー機に標準装備されている便利な機能です。ADFには2つの種類があって選ぶことができます。
ADF機能の種類
両面原稿を大量にコピーする際、手で1枚ずつ原稿を裏返していくのは大変です。
ADFには両面原稿を自動的に読み取る機能も付いており、とても便利です。ADFの両面読み取り機能には両面原稿自動反転と両面同時読み取りの2種類があります。
両面原稿自動反転
両面原稿自動反転は、両面原稿をセットしてスタートボタンを押すと、まず原稿を引き込んで片面を読み取り、そのあと装置内で自動的に原稿を裏返して裏面を読み取り排出する、というものです。
コピー機に標準装備されているのは、多くがこの両面原稿自動反転機能です。
両面同時読み取り
一方、両面同時読み取りは、原稿を引き込むと両面を同時に読み取って排出するというもので、ワンパスとも呼ばれています。
両面原稿自動反転に比べると原稿を裏返す時間がないため読み取り時間が短くて済み、また裏返さないので原稿が傷まないという利点があります。
両面原稿を大量にコピーする職場であれば、こちらを選ぶのがよいでしょう。
ADF機能のメリットについて
非常に便利なADF機能ですが、導入することで実際にどのようなメリットが生じるのでしょうか。
その大きな2つの利点について解説します。
印刷作業の効率アップ
ほんの5~6枚の資料を1部コピーするというのであれば、1枚ずつガラス面に手で載せてコピーを取るのも大した作業ではないでしょう。
ですが、ページ数の多い資料を大量にコピーするとなると、手で1枚ずつ行っていては手間も時間もかかり効率的とはいえません。
コピーという単純作業に人員と時間を大きく割くのは生産性の低下にもつながり、大きな無駄となります。
そういった場合には、原稿をセットし枚数を指定してスタートボタンを押せば、あとは人がついていなくてもすべて自動で行うADFはコスト削減の強力な武器となるでしょう。
たとえばボリュームのある会議資料を出席者全員に行き渡る部数作りたいという場合、ADFは大きな力を発揮します。
また、多くの部署に配布するマニュアルをコピーしたい、というように紙の枚数を減らすために両面印刷したいというケースもあるでしょう。そんなときADFなら両面印刷も自動でできて便利です。
ミスプリントが減る
両面印刷を含む大量コピーを自動的にスピーディーに行える、というのがADFの大きな利点ですが、これはミスプリントの削減にもつながります。
人が手で大量のコピーをしている場合、長時間にわたって単純作業を繰り返すことになりますが、その場合どうしても集中力が低下してしまいケアレスミスを起こしがちです。
ページ数の多い資料を大量に印刷したあと、1カ所のミスが発見されて再度コピーをし直すというのは大変なことですし、時間の無駄にもなります。それが両面コピーだった場合にはページのずれも生じるなど大変な事態になってしまいます。
また、ミスプリントによる紙とインクの無駄というのも見逃せない点です。
誤って同じページを2回コピーしてしまった場合には、その部分は無駄になってしまいます。
こうしたことが積もり積もれば大きな損失となるので、ADFでミスプリントを減らすことはコストを無駄にしないことにもつながります。
ADF機能の活用方法について
ADFには大量のコピーを自動でできるだけでなく、さらに便利な機能もあります。
それが実際の業務の中でどう活用できるのかをご紹介します。
ソーター機能と併用
大勢に配る同一の資料を作成する場合、たとえば20ページの資料を10人に配るとしたら、各ページをそれぞれ10枚ずつコピーし、ページ順に1枚ずつ取って元の20ページの形にまとめ上げる、いわゆる丁合いという作業が必要になります。
資料作成のために会議室などを借り切って、広い机の上に印刷物を並べてページ順に1枚ずつ取っていく、という作業をしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。これもまた非常に非効率で時間のかかる作業となります。
こうした無駄を省くのが、コピー機に搭載されているソーター機能です。
「ソーター機能(ソート機能)」を使うと、従来なら1ページ目を10枚、2ページ目を10枚…と順々にまとめて印刷していたところを、1~最終ページまでという形で必要部数出力してくれます。
つまり自動的に丁合いがなされた状態で出てくるので、手で丁合いする手間がなくなるのです。
もちろん人がついている必要はありませんから、大幅な時間削減につながります。
ステープル機能と併用
資料を必要部数作成し、ページ順に揃えたら最後はホチキス留めをして完成です。
このホチキス留めも、部数が多い場合はなかなかの重労働になりますが、さすがにこの部分だけは手で行うよりほかに仕方がないと諦めていた方も多いのではないでしょうか。
実はコピー機の中にはこのホチキス留めまで自動で行ってくれる機種が存在します。
コピー機に搭載されている自動ホチキス留めの機能は「ステープル機能」といいます。
留める場所も1カ所(手前または奥)、2カ所など複数のパターンに対応しており、書類のボリュームなどによって選ぶことができ便利です。
ADFに加えソーターとステープル機能も備えていれば、ページ数の多い資料を大量に作成する際も、原稿をセットしてボタンを押せばあとはすべて全自動となります。
ADF機能の注意点
ADFを使用する際には、原稿がホチキスやクリップなどで止められている場合は必ずすべて外しましょう。
また、付箋紙やテープなどが貼られている場合もすべて取っておきます。
余計なものが原稿に付着していると紙詰まりの原因になり、ひいては機械の故障につながる場合もあるので注意が必要です。
また、ADFにセットできるのは普通紙で、枚数は50枚程度です。
厚手の紙や薄すぎる紙も紙詰まりを引き起こしやすく、またセットする枚数が多すぎると誤動作の原因にもなるので注意しましょう。
ADFカバーにホコリやゴミが詰まったときもトラブルを起こしやすくなるので、定期的な清掃も大切です。
便利なADF機能で作業効率をあげよう
一度の大量のコピーをしたい、「両面印刷」で多くの部数を印刷したいなど多彩な用途に答えてくれるADF。
ソーターとステープル機能を併用すれば、今まで手で行ってきた製本作業まで自動化でき、その恩恵は計り知れないものがあります。
コピー機の導入を検討する際にはこうした点に留意し、自社の需要に最適な機種を選べるよう販売店に問い合わせてみるとよいでしょう。