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業務用のコピー機には印刷履歴を記録する機能があり、印刷の効率化に役立てることができます。
しかし、業務用印刷の内容には企業機密や個人情報もあります。
そのような印刷履歴は担当者以外には知られてはならないものです。
印刷履歴を適正に管理することで履歴機能を効率化に生かしながら、情報漏洩のリスクを避けることができます。
ここでは、コピー機の履歴の確認方法や履歴を消去する方法などを詳しく解説します。
コピー機の履歴機能とは
家庭用の小型コピー機には印刷履歴記録の機能は備わっていません。
しかし、業務用のコピー機には履歴機能が標準装備されています。
業務用コピー機では印刷内容はすべてジョブ履歴として残ります。
記録形式や内容はメーカーによって違いますが基本的な内容は、「ユーザー名」「ファイル名」「作業結果」「作業開始・終了時刻」「ジョブタイプ」「原稿ページ数」「出力ページ数」「印刷部数」「エラー内容」などです。メーカーや機種によってはコピーと印刷履歴が同時に記録されるかどうかなどは異なります。
多くの場合、コピー機の不調などでエラーの確認をしたり、印刷記録と印刷物の内容が合致するかなどを確認したいときにジョブ履歴を確認します。
コピー機の履歴機能のおかげで印刷ミスを減らしたり、エラー個所を確認したりすることができます。
コピー機のジョブ履歴を確認する方法
コピー機のジョブ履歴を確認する方法には主に2通りのものがあります。
ここでは2つの確認方法について説明します。
本体の操作パネルから確認する
業務用コピー機のジョブ履歴は、コピー機本体の操作パネルからジョブ履歴を確認できます。
ここでは基本的な操作手順を説明します。
まずコピー機本渓ある操作パネルのホーム画面を見ます。
その中で「状況確認」や「ジョブ一覧」などを押します。
すると、「コピー/プリントジョブ」または「ジョブ履歴」といった選択肢画面が出てきます。
これを選ぶと今度はコピーまたはプリントを選ぶ画面になります。
コピー履歴を確認したいときには「コピー」、印刷の履歴を確認したいときには「プリント」を押すとそれぞれのジョブ名を見られる画面になります。
ジョブ内容も確認したいときにはジョブ名を選択すると内容確認できます。
確認が終われば「閉じる」を押して操作を終わります。
細かい操作手順はメーカーや機種によって異なります。
またユーザー設定をしなければユーザーの特定はできないのと、ファイル名を表示しないものもあります。
基本動作を把握できれば、実際の操作の時には、その機種の説明書で確認しながら行いましょう。
インターネットから確認する
コピー機のジョブ履歴はインターネットでも確認できます。基本的な手順は以下の通りです。
まず、ブラウザのアドレスに「http://(コピー機のIPアドレス)/」を入力するとジョブの管理画面が出て「ジョブ履歴」または「印刷ログ」の選択肢が出ます。
どちらかを選択すると表示対象が現れ、その中の「コピー」または「プリント」を選択します。
すると、ジョブ履歴一覧が表示されます。
インターネット上ではジョブ履歴の詳細を閲覧するためにはプリンター管理者のユーザー名とパスワードでログインする必要があります。
細かい操作方法はメーカーや機種によって違います。
各メーカーは説明書やインターネットのホームページなどに操作方法を記載しているので事前に調べておきましょう。
コピー機の累計印刷枚数を確認する方法
業務用コピー機はお安いものではありません。
中古品で商品状態のよいものが見つかればとてもお買い得で、商品状態の良し悪しの指標になるのが累計印刷枚数です。
コピー機は印刷枚数が多くなればなるほど機械的に疲労しているものです。
累計印刷枚数があまりにも多いものは商品状態がいいとは言えないのですが、中古の業務用コピー機を買うときには累計印刷枚数のチェックは欠かせません。
業務用コピー機では累計印刷枚数はカウンターという形で確認できます。
カウンターは、そのコピー機が製造されてからのすべての印刷用紙を累計した数字です。
そのため、カウンター保守契約の料金はこのカウンター数をベースにして計算されます。
ほとんどの機種では、コピーボタンを長押しすることでカウンター数を見ることができます、ディスプレイ上にカラー印刷の数と白黒印刷の数が別々に表示されます。
メーカーや機種によっては、画面上にカウンター確認用の「初期設定/カウンター」や「メーター確認」という項目が設定されているものもあります。
コピー機の履歴管理に伴うリスクとは
業務用コピー機で印刷される内容にはその企業の商品企画や研究開発の内容もあります。
また、企業の社員や顧客情報の場合もあり、このような情報が担当者以外に漏洩してしまった場合には、企画や企業機密が漏洩して大きな損失を出します。
もし、個人情報が漏洩した場合には大きな社会的責任を負うことになり企業の信用を無くすばかりか、場合によっては損害賠償の対象にもなりかねませんので、時には知らないうちに犯罪行為に手を貸す羽目になってしまうこともあります。
このようなことにならないためには、コピー履歴を適正に管理しなければなりません。
ここでは情報管理の対策方法の紹介をします。
情報漏えいした場合のリスクは大きい
業務用コピー機は、その企業の印刷履歴を一挙に確認することができる企業機密の宝庫です。
人事担当者がミスをして社員の個人情報が他人に知られてしまうことも考えられます。
営業担当者がミスをすれば顧客情報が漏れ出てしまうこともあり、研究開発部でミスが起きれば秘密の研究内容が漏れ出て先に他社に開発されてしまうかもしれません。
また、産業スパイや個人情報を売買する犯罪もあります。
不埒物はコピー機が情報の宝庫だとよく知っていて故意にコピー機のジョブ履歴を盗み出そうとしています。
NPO日本ネットワークセキュリティ協会の報告書では、2018年に起きた情報漏えい件数は443件で、平均想定損害賠償額は6億3767万円に上ると試算されています。
コピー機はパソコンと同じようにIT機器の一つですから、その場にいなくてもインターネット上から情報を盗み取ることもできるため、サイバー犯罪に向けての管理も必要になります。
適切な管理で情報漏えいは防げる
業務用コピー機に保存されている履歴は機密情報の宝庫なので過失や故意によって機密が漏洩する可能性は十分にあります。
しかし適切な管理方法を実践することによって情報の漏洩を防ぐことができます。
もっとも基礎的な方法としては、アクセス制御機能を活用し、ユーザーIDやパスワードを入力しなければジョブ履歴を閲覧できないようすることです。
また、定期的に管理者のパスワードを変更すると前任者にもパスワードが分からなくなり、インターネット上で盗まれるリスクも低くなります。
インターネットとの接続を必要な時だけに限定することもサイバー犯罪から逃れる手立てになります。
インターネットに接続するときにはファイアウォール経由にして安全な通信に限定するとより確かな防御になります。
コピー機を廃棄するときにはジョブ履歴を消去することも大切なことです。
残しておくとそのデータを抜き取って悪用されることがあります。
コピー機の履歴を消去する方法
コピー機を廃棄する時や買取業者に買取ってもらうときにはコピー機の履歴を消去することが大切です。
履歴消去の方法の基本をご紹介します。
コピー機の操作画面ホームのジョブ履歴閲覧画面に履歴を消去する選択肢があり、消去を選択することで履歴は消えます。
消去前にはかならず消去してよいかよく確認しましょう。
その操作だけでは不安な場合には、履歴の消去サービスを行っているメーカーもあります。
そういったサービスを利用すると、消去したという証明を出してくれます。
メーカーや機種によっては作業後に自動消去機能を搭載している場合もあります。
この場合には履歴が残らないので過去のジョブ履歴を確認することはできません。
コピー機の履歴は適切な方法で管理しよう
業務用コピー機の履歴機能を効率的に利用するためには、履歴機能の確認方法をよく知っておくことが大切です。
また業務用コピー機はパソコンと同じIT機器なので情報漏洩のリスクに備えなければなりません。
そのためには、パスワードやID管理などが重要になりますが、履歴の消去も忘れてはならない重要な作業です。
履歴の適正な管理が情報漏洩を防御します。