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コピー機で印刷したときに、印刷物に黒や白の線が入ったという経験はないでしょうか。
こうした異常のある印刷物は正式な資料にはできませんし、まともに読むこともできません。
このような線が入る原因はいくつかあり、原因に応じた適切な対処をしなければいけません。
今回は、トラブルのシチュエーションごとの原因とその対処法を紹介していきます。
コピー機の印刷物に黒い線が入る場合の原因と対処法
印刷物の黒い線が入る場合、どんな操作をしたときに印刷物に黒い線が入るのかを特定し、それに合った対処法をしなければ問題は解消しません。
ここでは4つのケースにわけて、原因と対処法を紹介していきます。
ケース1:原稿送り装置利用時のみ線が入る場合
原稿送り装置を利用したときだけ線が入るのなら、原稿台ガラスの横の細長い読み取りガラスに汚れが付着している可能性が高いです。
原稿送り装置ではローラーを回しながら原稿を読み取りガラスに送ってスキャンを行っています。
読み取りガラスが一点だけ汚れていても、読み取り時に汚れが用紙を隠してしまい、印刷したときに線になって現れるのです。
対処法としては、まずは柔らかい布で乾拭きしてみましょう。
簡単に取れる汚れなら、それだけで読み取りガラスがきれいになり、印刷物の線が消えてなくなります。
乾拭きしても落ちない場合は水拭き、それでも落ちないときは中和洗剤を使用しましょう。
なお、水拭きや洗剤使ったあとは、乾拭きしてから十分読み取りガラスが乾燥したあとで、印刷テストを行ってください。
ベンジンやシンナーといった有機溶剤や、クリーナーなどの薬品類は、コピー機の故障に繋がる可能性があるので使用厳禁です。
他にも、機種によっては水拭きや中和洗剤の使用もしないほうがよいものもあります。
掃除をする前には、説明書を読んで水拭きしても大丈夫かどうか確認しておきましょう。
掃除をしても線が消えない場合は、他に原因がある可能性があります。業者に依頼して点検してもらいましょう。
ケース2:原稿台ガラス利用時のみ線が入る場合
ガラス張りの原稿台を利用してコピーをしたときにだけ線が入るのは、ガラス表面に付着した汚れが主な原因と考えられます。
こちらもガラスを掃除すれば問題が解消する可能性が高いので、原稿台ガラスの掃除は次の手順で行いましょう。
まず、電源プラグをコンセントから抜きます。
あとは水を吸わせて硬く絞った布で、原稿台ガラスと原稿台カバーのプラスチック面を丁寧に拭きます。
水拭き後は乾いた布で水気を拭きとり、しっかりと乾燥させてから線が消えたかどうかの確認を行ってください。
水拭きだけで汚れが落ちないときは、メガネ拭きのような布と無水エタノールを使って掃除をします。
しかし、念のため説明書を確認してエタノールを使ってもいい機種かどうか確かめておきましょう。
表面だけを掃除しても線が消えなかったからといって、ガラス面の内側を掃除してみるのはやめておきましょう。
むやみにいじると新たな故障に繋がる可能性がありますので、自力で解決できなかったときは、無理をせずに業者に依頼しましょう。
ケース3:プリントアウトやファックスの印刷時のみ線が入る場合
プリントアウトやファックスなど、コピー以外の印刷で線が入るときは、コピー機内部にインクやトナーの汚れがついている可能性が高いです。
こちらもクリーニングで問題が解消することがありますが、内部をいじるのでケース1やケース2に比べると、慎重に掃除をしなければいけません。
掃除のときはまずフロントパネルを外して、廃トナーボックスを取り出します。
廃トナーボックスに触れると汚れがつくことがあるので、掃除の間は不要な用紙の上に置いておきましょう。
フロントパネルの裏にあるプラスチック製の棒を、トナーのそばにある穴に挿入して前後に出し入れして掃除します。
この掃除をすべての色のトナーで行います。
クリーニング機能を搭載している機種や、プリンタドライバにクリーニングの命令があるタイプは、それらの機能を使って掃除することも可能です。
一通り掃除をしても線が残るときは、プリンタの心臓部に汚れがついているか、ブレードというパーツが劣化している可能性もあります。
これらの問題は専門家に依頼するしかないので、業者に連絡をしてトラブルを解消してもらいましょう。
ケース4:ケース1~3のどれにも該当しない場合
ケース1~3のどれにも該当しない場合は、コピー機内部で結露が起こっている可能性があります。
結露は冬場によくみられる現象です。
部屋が冷え切っているときに暖房を入れると、部屋が暖まってもコピー機内部はまだ冷たいままということが起きます。
機種の内部と外部で激しい温度差が発生すると結露が起こります。
結露は寒暖差がなくなると収まるので、しばらく待って様子をみてください。
また、ケース3で紹介したクリーニング方法も有効です。急ぎの印刷があるときは試してみるといいでしょう。
コピー機の印刷物に白い線が入る場合の原因と対処法
コピー機で線が入るのは黒い線であることが多いですが、白い線が入ってしまうこともあります。
印刷物に白い線が入るのはどんな場合なのか、またその解決方法はなんであるかを紹介してきます。
原因
印刷物に白い線が入る場合は、コピー機内部のパーツが劣化しているか不具合を起こしている可能性が高いです。
チェックするべき箇所は、ドラムユニット、メインチャージャー、LSU(レーザー照射口)の3つです。
ドラムユニットの劣化
ドラムユニットは、トナーを運んで用紙に付着させる役割を持つパーツになります。
ドラムユニットが劣化すると、トナーをうまく用紙に付けることができず、白い線ができてしまいます。
メインチャージャーの異常
メインチャージャーは、ドラムユニットにトナーをくっつけるためのパーツです。
メインチャージャーに異常があると、ドラムユニットの一部にトナーが付かないということがあります。
LSUの汚れ
LSUは原稿台ガラスで写し取った原稿を、ドラムユニットに照射するためのパーツです。
LSUにトナーや埃がついていると、原稿の一部をドラムユニットに送れずに白い線ができる原因となってしまいます。
対処法
白い線が出た場合は、まずはプリントヘッドの掃除をして問題が解消するか確かめてみましょう。
ヘッドクリーニング機能がある機種の場合はそれを利用します。
1回だけでは汚れが完全になくならない可能性があるので、複数回連続してクリーニングを行いましょう。
5回ほど掃除しても白い線が解消しない場合は、業者に依頼してみてもらいます。
業者に見てもらった結果パーツの汚れが不良の原因なら、修理にかかる費用は技術料だけで済みます。
しかし、パーツが劣化しているならパーツの交換費用もかかります。
パーツの交換は早めに行いましょう。
不具合のあるパーツを放置しておくと、他のパーツにもダメージを与えてしまい、複数のパーツを交換することになる可能性が出てくるからです。
修理費は高額になると10万円を超える場合もあります。余分な出費を抑えるためにも、業者への依頼は速やかに行いましょう。
コピー機の印刷物に線が入るトラブルで業者を呼ぶときのポイント
業者に依頼をするときは、線の入った印刷物をとっておくようにしましょう。
業者の人は印刷物の状態を見ただけで、どこにトラブルがあるかだいたいの検討をつけられます。
迅速な解決のためには、印刷物を見てもらうことが一番なのです。
また、原稿送りを使ったコピーなのか、原稿台ガラスでコピーしたのか、それともプリントアウトかFAXなのか、どんな印刷のときに線が出てきたのかを伝えましょう。
あと、業者を呼ぶ前に自力で掃除をした場合は、どんなことをしたのかを詳細に伝えましょう。
コピー機の印刷物に線が入るときは状況に応じて対処しよう
コピーに線が出ると一言で言っても、その原因はいろいろあります。
どんな印刷をしたときに線が入るのかを正確に把握して、それに合った掃除をして復旧を試みましょう。
自分で掃除したことで問題が解消すればいいですが、どうしても線が入る場合は業者に連絡して対応してもらいましょう。
特に白い線が入る場合は、問題を放置しておくと別のパーツにも悪影響を及ぼすことがあるので、早め早めの依頼を心がけるのがいいです。