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コピー機で拡大・縮小コピーをする時の倍率設定は、使い慣れていても分かりにくいものですよね。
設定の仕方が分からずミスプリントがかさみ、コピー用紙を何枚も無駄にした経験がある人も多いでしょう。
ここでは、コピー機の拡大・縮小機能を使いこなしたい人のために、倍率の計算方法やメーカー別の基本的な操作方法についてご紹介します。
コピー機で拡大・縮小コピーするときの倍率の計算方法
一般的な業務用コピー機では、拡大・縮小コピーをする際には自動で倍率を設定してくれるのがほとんどです。
しかし、コピー機に登録されていない特殊なサイズの原稿をコピーする場合は、自分で倍率を計算する必要があります。
ここでは、拡大・縮小コピーをする際の倍率の計算方法を、定型サイズの原稿と特殊サイズの原稿の場合にわけて解説します。
原稿が定型サイズの場合
原稿が定型サイズの場合、縮小・拡大コピーの倍率を求める公式は
「出力用紙の長さ÷原稿用紙の長さ×100=コピー倍率(%)」となります。
出力用紙の長さ、原稿用紙の長さは、長辺同士もしくは短辺同士で計算します。
例えば、A4サイズの原稿をB4サイズの用紙にコピーする場合、
A4用紙のサイズ「210×297」とB4用紙のサイズ「257×364」を元に公式に当てはめます。
長辺同士の計算式は「364÷297×100=122.55…」、短辺同士の計算式は「257÷210×100=122.38…」という計算になります。
計算結果に小数点が出た場合、実際にコピーする時に原稿が枠内に収まるように小数点以下は切り捨てるのが決まりであるため、どちらも122%という計算結果となります。
長辺同士での計算と短辺同士での計算で数字が一致したので、122%の倍率に設定してコピーします。
このように、コピー前にあらかじめ倍率の計算しておくと、ミスプリントなく効率的にコピーができるでしょう。
原稿が特殊サイズの場合
原稿が特殊サイズの場合、縮小・拡大コピーの倍率を求める「出力用紙の長さ÷原稿用紙の長さ×100=コピー倍率(%)」の公式に当てはめて計算しても、定型サイズの原稿で計算する時とは違い長辺同士での計算と短辺同士の計算では異なる数字が導き出されます。
計算結果が異なるのは、長辺と短辺の縮尺が異なるためです。
わかりやすく例をあげると、官製はがきサイズの原稿をB4サイズの用紙にコピーするとして、官製はがきのサイズ「148×100」とB4用紙のサイズ「257×364」を元に公式に当てはめます。
長辺同士の計算は「364÷148×100=245.94…」で小数点を切り捨てると245%、短辺同士の計算は「257÷100×100=257」で257%です。
長辺同士の計算での倍率と短辺同士での計算の倍率には、12%の誤差があります。
拡大率の大きい257%の倍率でコピーするとフルサイズでの印刷ができますが、枠からはみ出すこともあります。
245%の倍率でコピーすると、枠に収まりきるものの余白が残ってしまうでしょう。
それぞれの倍率でコピーして、仕上がりを自分の目で確かめて判断するのが賢明です。
メーカー別コピー機の拡大・縮小の基本的な操作方法
業務用のコピー機で拡大・縮小コピーをする際、操作方法はそれぞれのメーカーや機種によって異なります。
ここでは、「キャノン」、「富士ゼロックス」、「シャープ」、「コニカミノルタ」という4つの大手メーカーのコピー機の基本的な操作方法について解説します。
キャノン
キャノンのコピー機は、自動設定もしくは倍率を指定して拡大・縮小コピーが行えます。拡大・縮小の倍率は、25%から400%の範囲です。
コピーをする際の基本操作としては、まず原稿をセットして「コピー」を押し、「倍率」を押して目的に合わせた倍率を設定します。
定型サイズから定型サイズにコピーする場合は、表示された選択肢の中から倍率を選びましょう。
1%単位で倍率を指定して手動で設定したい場合は、「-」と「+」で調節します。
また、「自動」を押すと指定した用紙サイズに合わせ自動で倍率を調節してくれるので便利です。
同じサイズの用紙に原稿と同じ倍率でコピーする場合は、「少し小さめ」を押すと画像が切れないように自動で少し小さめにコピーできます。
「OK」を押すと設定が完了し、設定通りにコピーが開始されます。
なお、細かい操作方法は機種によって異なるため、それぞれの説明書で別途に確認しましょう。
キヤノンのコピー機一覧はこちら
富士フイルム
富士フイルムのコピー機も、自動設定もしくは倍率を指定して拡大・縮小コピーが行えます。
拡大・縮小の倍率は、25%から400%の範囲となります。
コピーをする際の基本操作は、まず原稿をセットして「コピー」を押し、倍率を選択します。
「自動%」を押すと指定した用紙サイズに合わせ自動的に倍率が算出され、用紙の枠に収まるように設定されます。
「定形変倍/ズーム」を選択すると、あらかじめ設定されている固定倍率から選んだり、手動で倍率の入力をしたりできます。
「寸法指定変倍」を選択すると、縦と横をそれぞれ異なるサイズで指定でき、原稿サイズと用紙サイズを指定すると自動的に倍率が計算されるので、コピー後の寸法を直接指定できます。
また、「ちょっと小さめ」を選択すると、画像が欠けないように選択した倍率より少し小さめのサイズでコピーされます。
設定完了後に「スタート」を押すと、コピーが始まります。
なお、細かい操作方法は機種によって異なるため、それぞれのモデルの説明書で確認しましょう。
富士フイルムのコピー機一覧はこちら
シャープ
シャープのコピー機は、自動設定もしくは倍率を指定して拡大・縮小コピーが行え、拡大・縮小倍率の範囲は25%から200%です。
コピーする際の基本操作は、まず原稿を原稿自動送り装置または原稿台(ガラス面)にセットし、「コピー」を押します。
次に、原稿サイズを選択して「OK」を押し、倍率を選択しましょう。
自動で倍率を決めるなら「倍率自動選択」を押すと自動的に倍率が算出されます。
手動で倍率を設定するなら「倍率」を押した後に「固定倍率」から選択するか、「+」と「-」で好きな倍率に設定します。
画像のサイズを指定する場合は、「倍率」を押した後に「寸法から指定」を押し、画像サイズと仕上がりサイズを数字キーで入力します。
設定が完了したら、プレビュー画面で仕上がりを確認し、設定が完了したら「OK」を押します。
最後に、「スタート」を押すとコピーが開始されます。
なお、細かい操作方法は機種によって異なるため、それぞれのモデルの説明書で確認しましょう。
シャープのコピー機一覧はこちら
コニカミノルタ
コニカミノルタのコピー機は、自動設定もしくは倍率を指定して拡大・縮小コピーができ、拡大・縮小倍率の範囲は25%から400%となります。
コピーする際の基本操作は、原稿をセットして「コピー」を押し、倍率を設定します。
倍率の設定には3つの方法があるので、原稿サイズや用紙サイズに合わせて選択しましょう。
「自動」を選ぶと、原稿サイズと用紙サイズに合わせて自動的に倍率が設定されます。
「固定倍率」を選ぶと、あらかじめ登録された倍率の中から選択することができます。
「フリー設定」は「+」と「-」、もしくは数字キーを使って手動で倍率を入力できます。
また、「小さめ」を選ぶと、原稿の端が欠けないように少し縮小してコピーされます。
設定完了後に「スタート」を押すと、コピーが開始されます。
なお、細かい操作方法は機種によって異なるため、それぞれの説明書で確認しましょう。
コニカミノルタのコピー機一覧はこちら
コピー機で拡大・縮小コピーするときは倍率に注意しよう
ほとんどのコピー機では、定型サイズの用紙を使用して拡大・縮小コピーをする場合は自動で倍率が算出されます。
しかし、名刺などの特殊サイズの紙を原稿とする場合は、自分で倍率を計算しなければなりません。
そのため、特殊サイズの拡大・縮小コピーをする際は、用紙を無駄にしないように倍率に気をつけ、それぞれのメーカーや機種ごとの操作方法に則り、コピー機能を活用するようにしましょう。