目次
正しく資料やデータを作成しても、印刷にずれが出てしまうことがあります。
印刷のずれには様々な種類があり、それによってアプローチの方法も異なるので注意が必要です。
すべての印刷のずれには共通する原因があります。
共通原因と印刷ずれのパターン別の原因にそって、それぞれの対処法を紹介します。
適切な対処法を知ることによって、きっと印刷ずれに悩むことがなくなります。
まずチェック!印刷ズレを防ぐためのチェックポイント
印刷にずれが出た時には、次のことをチェックしてみてください。
よくある共通の原因が用紙や印刷設定にあるので、最初にそれらを確認します。
用紙の装填がスムーズに行われていないことが考えられるので、用紙をコピー機のトレイにセットする前によくさばくようにしましょう。
さばいた後には用紙をきちんとそろえて、用紙の先端を用紙トレイの角に合わせてセットすることがポイントです。
次に原稿をセットする時にもずれないように、原稿ガイドを原稿の端にあてて正しくセットします。
用紙と印刷設定が適切にあっているかチェックすることも重要です。
プリンタードライバー上の用紙のサイズや倍率設定が合っているかを確認しましょう。
また原稿を作成する際にも、用紙に対して余裕を持たせたデザインにするのもポイントです。
用紙に対して余白が少ないデザインだと少しのずれでも目立ってしまうので、デザインの時点で余白を大きめにとりましょう。
パターン1:印刷位置が大幅にずれる・はみでる
印刷用紙に対して印刷位置が大幅にずれてしまったり、はみでてしまうことがあります。
用紙や給紙トレイに問題がない場合には、そのほかの部分に原因があることが考えられますので別のアプローチが必要です。
これらのケースに対する原因と具体的な対処法を紹介します。
原因
印刷位置が大幅にずれたり、はみでる場合には、ローラーに原因があることが考えられます。
特に印刷位置が上にずれてしまう場合には、ローラーに問題があり正しく給紙されていないことが原因です。
用紙とローラーの接触状態が悪いため、紙の送りに誤差が生じている可能性があります。
給紙ローラーが汚れていると正常に作動しないので、印刷位置が大幅にずれたり、はみでる場合にはローラーを確認しましょう。
対処法
印刷位置が大幅にずれたり、はみでる場合、対処法は製品ごとに異なるため必ず取扱説明書を参照してください。
対処法としては、用紙のセット方法を変えてみましょう。
両面印刷が可能な普通紙の場合は、先ほど入っていた面と裏返しになるように再度入れなおすようにします。
次に正しく給紙できるように、給紙ローラーを清掃します。
清掃後に、もう一度コピーし、コピーされたものの印刷品質の確認をしてください。
この対処法で、大幅なずれが解決できることが多いです。
パターン2:印刷位置が1~2mmほどずれる・はみでる
そのほかのずれのパターンとしては、印刷位置が1~2mmほどずれたり、はみでることがあります。
わずかなずれでも目立ってしまいますので、きちんと対処を行ないましょう。
ラミフリー型抜き品は、ラミネートが不要な用紙で手で切り離すことができるので三角立体POPなどを簡単に製作することができます。
このラミフリー型抜き品やPOPを印刷する際には、1~2mmのずれもデザインに影響することもあるため修正が必要です。
しかし、データそのものの位置調整は面倒ですので、データを作り直さなくてもコピー機で対処できる方法を覚えておきましょう。
原因
印刷位置がわずかにずれて用紙を正しくセットしても、そのずれが解消されない場合には次の原因が考えられます。
ページサイズ処理設定が適切ではない場合です。
ページサイズの設定が正しく行われていないと、ディスプレイに表示されたものと実際に印刷された印刷物に誤差が生じてしまいます。
対処法
印刷位置の1~2mmほどのずれ、はみ出しは、製品ごとに対処方法が異なる場合があるため必ず取扱説明書を参照してください。
PDFデータを印刷する際には、ページサイズ処理を「実際のサイズ」に変更するのがポイントです。
プリンタードライバーの位置調整機能を利用するのが有効ですが、製品ごとに修正の仕方が異なります。
リコーの場合は、印刷設定から「項目別設定」の「編集」をクリックします。
その後「印刷位置の設定」で移動方向や位置調整の数値を設定し、印刷しながら修正していきましょう。
富士ゼロックスの場合には、印刷設定から「基本」の「とじしろ/プリント位置」をクリックします。
「プリント位置」から位置調整し、印刷を繰り返して修正していくのがポイントです。
キャノンの場合には、印刷設定画面から「仕上げ」の「処理オプション」をクリックして、「印刷開始位置の設定」から位置を調整し、試し印刷をしてずれが修正されているか確認してください。
位置調整機能がない機種の場合には「とじしろ」機能で代替できることがありますので試してみましょう。
パターン3:罫線や文字がずれる・ゆがむ
印刷した際に罫線や字自体がゆがむことがあるので注意してください。
罫線がゆがむと直線ではなくなってしまいますし、ガタガタに印刷されてしまうこともあります。
文字がゆがむとぼやけて見えにくくなり、また文字が薄くなってしまうと読みにくくなることもあります。
キレイにプリントアウトされていないと書類や資料は読みにくくストレスを感じてしまいますので注意しましょう。
罫線や字のゆがみの解決策を紹介します。
原因
罫線がまっすぐにならなかったり、文字がゆがんでしまう場合には、インクの吹き出し口に問題があることが考えられます。
インクジェットプリンターは、インクの吹き出し口が左右に動きながら紙にインクを吹き付けることで印刷を行います。
日常的に印刷を繰り返したり、何かの衝撃によってインクの吹き出し口が何ミリかズレてしまうと、印刷にゆがみやずれが出てしまうので注意が必要です。
対処法
罫線や文字のゆがみが出た場合には、インクヘッドの調整が必要になります。
ヘッドの位置調整はプリンターにメンテナンス機能が内蔵されていますので、お手持ちの取扱説明書を確認しながら正しく操作してください。
一般的なヘッドの位置調整の流れは、まずコントロールパネルからプリンター設定画面を開きます。
設定画面からメンテナンスへと進み、ヘッド位置調整テストパターン印刷を選択しましょう。
テストパターンの印刷が開始されますので、パネルの案内にそって印刷されたテストパターンを確認します。
ヘッド位置調整値の設定画面で数値を調整していきましょう。トータルおよそ15分で完了します。
印刷する機会が多いと正しい使い方をしていても、インクヘッドの位置が徐々にずれてしまうことがありますので、こまめにヘッドの位置を調節するのがオススメです。
設定確認やメンテナンスで印刷ズレを解消
印刷時のずれやゆがみなどには様々なパターンがあり、パターン別に原因と対処法を紹介しました。
プリントアウトした書類などにずれが出ても、コピー機で対処できることが多いので適切な対処方法を身につけておくと便利です。
書類や資料のデータそのものを修正するよりも、簡単に対処ができるので、ぜひ試してみてください。
ただし機種によって操作方法などが異なりますので、必ずお手持ちの取扱説明書を参照しましょう。
快適に使えるようにするためには、定期的なメンテナンスもかかさないようにすることが大切です。
異常や不具合がない場合でも、こまめに清掃や調節などのメンテナンスをしてください。
コピー機は使用年数によっては、経年劣化や不具合が生じます。今回紹介した対処方法でも、印刷ずれやゆがみが解消されない場合にはお手持ちのコピー機のメーカーに直接問い合わせてみてください。
コピー機は最新の機能を持った機種が次々と発売されていますので、購入やリースを検討をするのも一つの方法です。