2024.12.10

フチなし印刷の方法と注意点、複合機での印刷テクニック

目次

会社で自社の製品を効果的にアピールできるようなポスターやパンフレットを作成する必要がある場合、大事になるのが見た目のイメージです。

商品の魅力をわかりやすく伝えるためには、デザインなどにも気を配る必要があります。

ポスターを印刷する時によく行われているのが「フチなし印刷」という方法で、機械によって可能なものと、そうでないものがあります。

ここでは複合機を使用してフチなし印刷をする方法について紹介します。

フチなし印刷とはどのような印刷方法?どんなときに利用されるのか

フチなし印刷とはその名前の通り、使用する紙の外側にフチとなる余白の部分を作らないようにして、印刷する方法です。

外側にフチがないために、プリントに使用する紙の全面に、印刷をすることが可能です。

フチなし印刷が使用されることが多い印刷物としてはチラシやポスターなどがあり、こうした種類の印刷物は見た目のインパクトを必要としていることも多いため、デザインを生かすためにフチなし印刷が採用されています。

フチなし印刷には印刷物が見やすくなるという大きなメリットがあるために、他の印刷物と一緒に配布する場合など、特にその印刷物を目立たせる必要がある場合に利用されている方法です。

用紙の全面に印刷がされているので、印刷物を受け取った人が見落としてしまうようなことも少なくなります。

新聞に折り込まれるチラシなどは特に効果が大きく、大量にはさまれている他のチラシに埋もれることなく、目を通してもらいやすくなるのが利点です。

そもそも複合機でフチなし印刷はできるの?

フチなし印刷をする際には使用するプリンターの種類を選ぶ必要もあります。

フチなし印刷に最も向いているのがインクジェットタイプのプリンターで、適していないのが複合機タイプのプリンターです。

なぜ複合機タイプのプリンターがフチなし印刷に向いていないのかといえば、それはこのタイプのプリンターがレーザーを使用して紙に印刷をしているからです。

プリントをする用紙の隅に余白を残さないで印刷するためには、印刷する画像を用紙より少し大きめに拡大してから印刷する必要があります。

これはインクジェットタイプのプリンターなら可能ですが、複合機のようなレーザープリンターの場合、用紙からはみ出た部分のトナーの定着が機械の構造上できないために、フチなし印刷もできないようになっています。

こうした理由から、複合機などのレーザープリンターは、フチなし印刷に対応しているものがないのが現状です。

複合機を使ってフチなし印刷に近づける方法とは

それでは、複合機を使用した場合にはフチなし印刷をすることは不可能なのかといえば、必ずしもそうとはいえません。

複合機を使用して、どうしてもフチや余白の部分を作らずに印刷したい場合には、工夫をすることで似たようなタイプの印刷が可能になる場合もあります。

ここでは、そうした場合に役立つ解決方法について詳しく紹介していきます。

トンボをつけて印刷後に裁断する

複合機を使用してフチなし印刷と同じように余白のない印刷物を作る方法としては、作りたい印刷物よりも一回り大きいサイズの用紙を使用する方法があります。

これはどのようなタイプの複合機でもできる非常に便利な方法で、印刷したいものをあらかじめ予定しているものより、大き目の紙の上に印刷します。

当然、紙の周辺には余白ができますが、紙の外側に目印をつけてから、不要な部分を裁断することで、フチなし印刷と同じような余白のない印刷物を作ることが可能です。

この外側につける裁断の目印となる線のことをトンボと呼んでいます。

トンボに合わせて正確に裁断することで、インクジェットで印刷したのと同じようなフチなし印刷の印刷物を作ることができます。

この方法でフチなしの印刷物を作製する場合には、十分に時間をとってあせらないで作業を行うことが重要です。

目印となるトンボに沿って丁寧に裁断していくことで手作業によるミスを防ぐことができ、印刷し直す手間もはぶけるので効率的です。

少しでも線からずれてしまうだけでも、見た目のイメージが大きく変わってしまう場合もあるので、裁断はできるだけ慎重に行う必要があります。

プリンタードライバーの設定を変更する

使用する複合機の種類によっては、不要な部分を裁断をしなくても、フチなし印刷とほとんど変わらないような印刷をすることも可能です。

完全に余白の部分をなくすことはできませんが、プリンタードライバーの設定を変更することで、周囲の余白を最小限の面積にして、印刷をすることができます。

余白が存在するかどうかが、ちょっと見ただけではわからないレベルまで余白の設定を調整すれば、複合機でもフチなし印刷と同じようなイメージの印刷物を作ることもできます。

余白を極限まで少なくするために行わなければいけない設定の変更は、使用している複合機のメーカーによっても大きく異なる場合があります。

多くのメーカーの複合機で採用されているのがプロパティの項目から、仕上がりの設定を変更する方法です。
どれだけ余白をなくすことができるかもメーカーや製品によって異なります。

余白を最小限に設定できるような複合機を選ぶことでインクジェットタイプのプリンターと同じように、気軽にフチの目立ちにくい印刷をすることができます。

フチなし印刷がしたいなら!インクジェットプリンターを活用

どうしても完全なフチなし印刷をしたい場合は、複合機ではなく、初めからインクジェットプリンターを使用する方法もあります。

インクジェットプリンターならば、サイズの大きい用紙に印刷して裁断したりする必要がありません。
そのため、時間をかけずに大量のフチなし印刷をすることが可能です。

また、機械に詳しくないため、余白を最小限にするための設定変更ができないという人も、インクジェットプリンターであれば簡単にフチなし印刷ができます。

もともと印刷の機能として簡単な操作で利用できる機種もあるので、手軽にフチなし印刷でチラシやポスターが作製できるのがメリットです。

ただ一つ注意しなければいけないのは、インクジェットプリンターだからといって、必ずしもフチなし印刷ができるとは限らないことです。

機種によってはインクジェットプリンターでも、フチなし印刷ができない場合もあります。

そのため、フチなし印刷を目的にしてインクジェットプリンターを選ぶ場合には、フチなし印刷ができるタイプの機種であるかどうかを事前に確認しておく必要があります。

可能なタイプのインクジェットプリンターは、印刷をする部分にスポンジがつけられているのが特徴です。

用紙からはみ出た部分にインクを吹き付ける際に、インクがスポンジに吸収されるため、紙や機械を汚さないようにして、フチなし印刷ができるようになっています。

フチなし印刷を行うときの注意点

インクジェットプリンターでフチなし印刷を行うときは、いくつかの注意点を守って印刷しましょう。

そうすることでよりきれいな印刷物に仕上げることができます。

ここでは、そうした注意点についていくつか紹介していきます。

設定を正しく行う

インクジェットプリンターでフチなし印刷を実行する場合、あらかじめレイアウトやプリンタードライバーの設定が必要になります。

変更の方法は機種によって異なりますが、プリンタードライバーでフチなし印刷を選択することで、簡単に印刷ができるものもあります。

少し複雑なタイプのものとしては、レイアウトで余白の部分を0にすることで、結果としてフチなし印刷ができるものもあります。

また、フチなし印刷ができるタイプのプリンターであっても、使用する用紙のサイズや紙の種類などによって、フチなし印刷ができない場合もあるります。

そのため、自分が印刷したいタイプの大きさや紙に印刷できる製品かどうかを確認してから、使用するプリンターを決める必要があります。

フチあり印刷を想定したデザインにする

印刷物の種類によっては、必ずしもフチなし印刷が最良のデザインとは限らない場合もあるので、注意が必要です。

どのような目的で使用する印刷物であるかを考慮しながら、フチありとフチなしを選んで印刷することで、より印象に残る印刷物を作製することができます。

フチあり印刷のほうが効果的な例としては、見やすさを特に重視した印刷物を作る場合があげられます。

印刷物に記載する文章や写真をしっかりと見てもらいたい場合には、フチあり印刷の方が何かと向いています。

逆に印刷物の細かい内容よりも、印刷物のデザインそのものを重視したい場合にはフチなし印刷の方が最適で、見た目のインパクトがある印刷物を作ることができます。

リース契約なら複合機もインクジェットプリンターも安価で導入可能

フチなし印刷とフチあり印刷を両方使い分けたい場合には、複合機と一緒にインクジェットプリンターを導入するのが効果的な方法です。

二台のプリンターを購入するような予算がないという会社や、コストをできるだけ抑えたい会社の場合には、リースによりプリンターを使用する方法がおすすめです。

リース契約ならば、購入するよりもコストを抑えて、プリンターを使用することができます。

自分の会社に合ったプリンターを探している場合もリース契約は非常に便利な方法で、使用しやすいものを選んでリースすることができるので、本当に納得ができるプリンターを使用できるメリットもあります。

コピー機のリース契約についてはこちら

フチなし印刷が必要な場合はインクジェットプリンターを

フチなし印刷がどうしても必要な場合には、やはりインクジェットプリンターを利用するのが、一番良い方法です。

複合機でもフチなし印刷に似たような印刷物は作れますが、大き目の用紙に拡大して印刷したり、不要な部分を裁断する作業は非常に手間がかかります。

また、手作業のために品質にむらができる場合もあるために、大量のフチなしの印刷物が短時間で作製できるインクジェットプリンターは、印刷物のクオリティという点からも、非常に重宝するプリンターです。

用途によって使い分けることも、効果的な印刷物を作製するためには欠かせない方法です。

二種類のプリンターを使い分けることで、思い通りの印刷物が作製しやすくなりますが、リースやレンタルを利用すれば複数のプリンターを使用してもコストも抑えることができます。

万が一故障した場合でも他のプリンターと交換してもらえるので、業務に支障をきたすことなく使用することができます。