2024.12.10

コピー機の歴史は、2つの複写方式から始まった

目次

コピー機はいつ、どのようにして誕生したのでしょうか。
実はコピー機は3世紀ほどかけて開発された歴史があります。

つまり、それほど昔からコピーの需要があったということになります。

開発されたのは、「ジアゾ式複写機」、「PPC複写機」という2種類のコピー機で、
現在でもこの2種類のコピー機が使用されています。

コピー機を発明した人とは

コピー機は、1779年に蒸気機関を発明したことで有名なイギリスの発明家、ジェームズ・ワットが発明しました。
インクが裏まで染み込みやすい薄い紙を使って、紙から別の紙に内容を転写する手法を考案し、20世紀まで使用され続けました。

ジアゾ式複写機

1951年のドイツがジアゾ式複写機を開発しました。

ジアゾとは窒素の化合物で、紫外線照射により感光させます。
青い紙を使うことが多かったことから「青焼き」と呼ばれました。

この頃のコピー機は「湿式」で、感光紙の性質を生かし現像液を塗る手間があったので、湿った紙になるのが特徴でした。
大判の複写ができるため、図面に多用されました。

しかし、感光紙の保管に注意を払う必要があったり、両面刷り原稿の複写ができない、湿式なので原稿を濡らしてしまうリスクがあるなど、デメリットもたくさんありました。

現在でも複写機の開発・製造メーカーで、ジアゾ式複写機は生産されており、設計図面用などに多用されています。

PPC複写機

現在のコピー機の主流はPPC複写機と呼ばれるものです。

1938年、アメリカのチェスター・カールソンは、光を使わず電気だけで画像を記録する革命的な技術「ゼログラフィ」を発明しました。

1955年、アメリカのハロイド社(後のゼロックス)は、この技術と、光が当たると電気抵抗が変わる「光導伝体」の技術を組み合わせ「ゼログラフィ」と呼ばれる基本技術を確立しました。

1959年、アメリカで「乾式」の世界初の事務用コピー機「ゼロックス」が誕生しました。
これが現在の主流のコピー機となり、オフィスで使われ続けています。

このコピー機のメリットは、薬品を塗っていない普通の紙を利用できる点です。

複写物を長期保管しても劣化が少なく、デジタル式の場合なら大量コピーの時間が短くて済み、拡大縮小も可能です。
ただし光学的な収差が出る場合があるので、精密な製図などでは少し問題があることも指摘されています。

まとめ

PPC複写機は、ジアゾ式複写機に比べて遥かに使い勝手がよく、メリットも多いため、多くのメーカーがゼログラフィの技術を基本としたコピー機の研究・開発に取り組み、現在のコピー機、複写機の主流になりました。

基本技術そのものは成熟したようにも見えますが、コピー機そのものは現在も進化を続けており、
特にパソコンの普及とともにコピー機も同時並行的に進化して、カラーコピーやデジタル式のコピー機も登場しました。

特にカラーコピーは画期的な進化と呼べます。
現在のカラーコピーは写真にも劣らないほど高品質になっています。

また、デジタル式はパソコン周辺機器のスキャナーと同じ原理を使い、より綺麗なコピーを可能としました。

この様に、コピー機は日夜進化し続け、その利便性によって私たちの生活を潤いのあるものにしてくれているのです。